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2021/9/1
「エッ!?この先、どうなるの?」
そう思った瞬間、コマーシャルが入る。
テレビを見ていて、そんなもどかしい瞬間に出くわしたことありませんか?
この、未完のもの、達成できていない事柄、中断している事柄の方が、完成したもの、達成できた事柄よりも、よりよく覚えており、惹かれる現象を心理学では、「ツァイガルニク(ツァイガルニック)効果」と呼びます。
ドイツの心理学者、クルト・レヴィンの提唱による、
「人は何かしらの欲求により目標を達成しようとし、それに向かって行動している時は緊張感が持続する、と言われているが、その目標が達成された瞬間、緊張感は解消される」
という考えに基づき、リトアニアの心理学者ブリューマ・ゼイガルニクが実験的にその効果を示しました。
では、このツァイガルニク効果、私たちの生活では、どのように活かすことができるのでしょうか?
今日の心理学の旅では、場面別での「ツァイガルニク効果の使い方・捉え方」をお伝えしていきます。
学生の方だと中間テスト、期末テスト、前後期の試験、社会人の方だと職務に必要な資格試験など、誰もが一度は、試験勉強を経験したことがあると思います。
社会人ともなれば、日々の業務をこなしながら週末にまとめて勉強という人もいれば、毎日コツコツと、という人もいることでしょう。
ところで、この勉強時間中、みなさんは、どのタイミングで休憩を取りますか?
多くの人は、「今日は〇ページまで!」、「今日は〇〇まで!」と、ある程度の目標までやったあとに休憩を取るのではないかと思います。
あるいは、疲れた、集中力が途切れたなど、気持ちが持続しない時に休憩を挟む人もいるかもしれませんね。
ここで、ツァイガルニク効果の出番です。
ツァイガルニク効果は、目標が達成されるまでは緊張感が持続しますが、達成した瞬間、その緊張感は解消されてしまうのでしたね。
ということは?
思い出してみてください。
休憩後、勉強ははかどったでしょうか?
一度、休憩を挟むと、なかなかエンジンがかからないどころか、机に戻ることも億劫になってしまい、「今日はこれでいっか!もう十分頑張ったんだし。」と、終わるための理由を探し始めることが多くありませんでしたか?
今日は〇ページまで、〇章までと範囲を目標としたり、〇時間と時間を目標としたり、あるいは、集中力が途切れたところというように、目標まで到達したあとに休憩を取ると、再開する時のハードルがとても高くなってしまうのです。
では、どのタイミングで休憩を取ればいいのでしょうか?
もう、おわかりですね。「もうちょっとでキリがつく、その直前」つまり、目標が達成される直前がベストのタイミングです。
そうすると、「あともうちょっとで終わりだから」という気持ちがはたらき、勉強を再開しやすくなります。
明日は社内での大事なプレゼンの日です。
この日のために、あなたは入念な準備をしてきました。
通常業務の傍ら、残業しては、あるいは自宅に持ち帰ってきては資料を作成し、やっと迎えたプレゼン当日です。
誤字脱字なし!、導入OK!、参考資料も大丈夫!
いざ!本番。
矢継ぎ早に飛んでくる質問にタジタジになり、頭は真っ白・・・
「あんなに入念に準備したのに・・・」
ここで、ツァイガルニク効果の登場です。
未完のもの、達成できていない事柄、中断している事柄の方が、完成したもの、達成できた事柄よりも、よりよく覚えており、惹かれる現象、これがツァイガルニク効果の特徴でしたね。
あなたのそのたどたどしいプレゼンは、周りを失望させたのではなく、むしろ、
「応援したい!」
という気持ちを同僚に抱かせた可能性があります。
人は未完のものほど惹かれるのですから。
ですので、むしろ、どうやったらプレゼン内で語ったプロジェクトはうまく進んでいくのか、あるいは、プレゼンそのもの自体をどうやったらうまくできるようになるのか、周りの人に聞いてみることです。
「教えてあげたい」
そういう気持ちを持った人が意外に多いことに気づくはずです。
完璧なプレゼンも良いものですが、たどたどしい未完のプレゼンもなかなかどうして、良いものなのです。
「いらっしゃいませ」
「今日はどんなものをお探しでしょうか?」
「こちらの商品、今日入ってきたばかりの新商品なんですよ!」
「私も使ってみましたが、すっごくいいですよ!」
こちらの思いなぞ、なんのその!
お店に入るなり、弾丸トークで買う気が失せてしまった、
そんな経験をしたことありませんか?
もし、あなたが何かを売る、宣伝するという営業の仕事をしているなら、
ツァイガルニク効果を意識してみるといいでしょう。
相手は、何を欲しているのか全くわかりません。
まして初対面のお客様であれば、どんなものを探しているのかはもとより、好みさえもわかりません。
そんな相手に、自分の好きを展開してしまっては、避けられるのは当然です。
「必要があればお声がけください」
「詳しい説明が必要でしたらご連絡ください」
教えてくれないのなら、自分から声をかけてみよう。
そうです、押しの営業ではなく、引きの営業で、知りたい!という達成動機を促すのです。
お客様は、少なからず興味があるからこそ、あなたの前で足を止めたはずです。
そのお客様が知りたい事を、お客様に求めていただくのです。
心理職唯一の国家資格『公認心理師』。
児童心理学士。
大学では、社会心理学、人格心理学、犯罪心理学等、幅広く心理学を学ぶ。
卒業後、公立の小学校の勤務を経て、2006年、「カウンセリングMaNa」設立。
17年間で接したクライアントは9,000人を超える。
発達障害、不登校、職場・家庭・恋愛・人生の悩みと、クライアントが抱える問題は多岐に渡る。
そのクライエントが抱える生の悩みを詳細に分類、分析、体系化して作り上げたコミュニケーションを主体とした各種講座は、男女、年齢問わず、幅広い層の支持を得る。
受講者一人ひとりの想いに寄り添いつつ、会場全体を一つにまとめていくその手腕、そしてその温かさは、受講者の心に深く沁み込んでいく。
【札幌】 7.13(土)満席
【函館】 8.31(土)満席
【青森】 9.21(土)
【盛岡】 9.22(日)満席
【秋田】 9.23(月・祝)
【札幌】10. 6(日)満席
【札幌】11.17(日)
【函館】 2. 9(日)
【東京】 2.16(日)
【札幌】 7. 14(土)・15(日)満席
【札幌】11. 16(土)・17(日)
【函館 11. 23(土)・24(日)
【札幌】 2025年 3~6月
【函館】 8.31(土)満席
【青森】 9.21(土)
【盛岡】 9.22(日)
【秋田】 9.23(月・祝)
【札幌】10. 6(日)満席
【札幌】11.17(日)
【函館】 2. 9(日)
【東京】 2.16(日)
【Zoom】12月~25年2月
【札幌】2024年11月・4月
【東京】 2025年1~4月
【東京】2025年3月8・9日
【札幌】 5.26(日) 満席
【函館】12.14(日)
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