2022/8/8
あなたは今、どんな不安を抱えていますか?
その不安は、人の数だけ無数にあります。
ちょっとここで、一呼吸置いて、考えてみてください。
今あなたが抱えている不安の時間の方向は、どちらを向いていますか?
あなたが感じている不安は、そのどれもが、未来へ向けた不安ではありませんか?
そうです。
不安は、未来に対して、未知なるものにしか起きない感情なのです。
そこに、うまく付き合っていくヒントが隠されています。
さぁ、今日の心理学への旅は、【不安との付き合い方】~自分を信じるための3つの対処法~
と題してお伝えしていきましょう。
幼稚園の子から、
「不安って、なぁに?」
と質問されたら、なんと答えますか?
実際に呟いてもいいですし、頭の中で言葉を並べてみてもいいでしょう。
広辞苑には、
という言葉が並んでいます。
不安と聞いて、不安そのものを説明しようとした人、
不安が起こることによって、身体にどんな変化が生じるか説明しようとした人、
心にどんな変化が生じるか説明しようとした人。
さて、あなたは、どんな不安を説明したでしょうか。
冒頭に述べたように、不安というものが人の数ほど無数にあるのと同じように、あなたが思い浮かべたことが、あなたの思う(定義づけている)不安というものの正体です。
また、これまで、どう不安と向き合ってきたかにも気づいた方もいらっしゃることでしょう。
見えないもの、つまり、初めてのモノに対して、人は不安になります。
これは、命の危険が伴うかもしれないという、人間の中に組み込まれた防衛本能が働くためです。
不安を感じるということは、人としての機能がしっかりと作動している、とも言えるのです。
「これは防衛本能が働いているせいだ」
「不安になって当然だ」
「ちゃんと心も身体も働いている証拠だ」
そう思うだけで、少し不安が和らぐ場面も出てくるかもしれませんね。
前章での「新しい部署に異動になる」を例に取ってみてみましょう。
起きている事実は、新しい部署に異動する、ということだけです。
ですが、未知なるものに対して防衛本能はどんどん働きます。
まだ異動もしていないのに、不安材料は次から次へと出てきます。
そして、そのどれもが、見たことがない故に、想像が大きく膨らんでいきます。
これが、見えないものを過度に評価してしまう所以(ゆえん)です。
対処可能な範囲であれば良いのですが、眠れない、食欲も沸かない、何となく体調が優れないなど、身体に反応が出てくるようになると、いよいよ私たちは、これは何とかしなくては、と思い始めます。
そしてこの不安は、無意識に過去のものと比較しています。
楽々対処できたものであれば、そこまで不安は増しません。
なぜなら、対処法がわかっているし、すでに、「できた」、「こなせた」という実績があるからです。
乗り越えられなかった、あるいは、乗り越えられたけれど、とても大変だったものに対しては、不安は増していきます。
すでに高い壁だと知ってしまっているからです。
不安に立ち向かうべく、自分がどれほどの努力をしてきたか、自分の過去をちょっと振り返ってみてください。
そんな自分に、何点のがんばり点数をつけますか?
60点以下を付けたあなた、もし、そのがんばりをしている人が、あなたの愛する人だったら、何点をつけますか?
点数が上がりましたね?
その点数を、自分にそのまま与えてあげましょう。
それが、自分を適切に信じる、ということにつながります。
私事で恐縮ですが、つい最近、公認心理師という心理学の世界で唯一の国家試験を受験しました。
医療、福祉、教育、産業、司法と5領域にまたがる分野に関しての知識が問われます。
携わったことのない分野に関しては、「初めまして」の言葉ばかりです。
試験の難易度も高く、合格するには難関の試験です。
試験が近づくに連れ、胃がキリキリ、眠りも浅くなっていきます。
前日は、それがピークに達します。
そんな時、今までやってきた参考書を眺めます。
そこには、自分が今までにがんばってきた全ての軌跡が詰まっています。
そうすると、さっきまで大きかった不安が、エネルギーに変わっていることに気づきます。
そうです。
不安が大きければ大きいほど、それは自分が頑張った証。
そう不安を捉えると、自然と、気持ちは穏やかに、そして、やってやるぞ!という前向きな気持ちへと変えていけるのです。
残念ながら、不安を完全に消すことはできません。
でも、不安とうまく付き合っていくことはできます。
不安は敵ではありません。
自分の頑張りを証明する、そして、エネルギーに変えてくれる、大切な大切な自分の心の仲間です。
さて、先ほどの国家試験。
合格発表まで、あと3週間です。
不安で仕方がありません。
そうでしたね!
不安は仲間。
あれだけ頑張れた自分がいるんだから、他の困難もきっと、いや、絶対に乗り越えていける自分がいます。
不安とタッグを組み、適切に自分を信じ、そして、一歩前へ歩を進める。
私も、そんな一日を懸命に生きようと思います。
執筆者:日本実践コミュニケーション心理学協会理事 丹下坂 愛実
心理職唯一の国家資格『公認心理師』。
児童心理学士。
大学では、社会心理学、人格心理学、犯罪心理学等、幅広く心理学を学ぶ。
卒業後、公立の小学校の勤務を経て、2006年、「カウンセリングMaNa」設立。
17年間で接したクライアントは9,000人を超える。
発達障害、不登校、職場・家庭・恋愛・人生の悩みと、クライアントが抱える問題は多岐に渡る。
そのクライエントが抱える生の悩みを詳細に分類、分析、体系化して作り上げたコミュニケーションを主体とした各種講座は、男女、年齢問わず、幅広い層の支持を得る。
受講者一人ひとりの想いに寄り添いつつ、会場全体を一つにまとめていくその手腕、そしてその温かさは、受講者の心に深く沁み込んでいく。
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